ノンコア業務とは、企業の競争優位や事業の中核に直接関わる度合いが比較的低く、コア業務を支えるために必要な業務の総称です。人事・経理・総務・データ入力・コールセンターなどが代表例で、標準化・外部委託に適した業務が多いという特徴があります。
政府の働き方改革の推進や慢性的な人手不足(厚生労働省も多くの企業において人手不足が生じていると分析)を背景に、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)に取り組む企業が増えています。その中でも特に重要なのが、コア業務とノンコア業務の切り分けです。
「どの業務がノンコアなのか」「どこまでアウトソーシングすべきか」という判断に迷う担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、ノンコア業務の定義・特徴・改善の必要性・BPOへの委託判断基準までを体系的に解説します。
目次
- ノンコア業務とは
- コア業務とノンコア業務の違い
- ノンコア業務の4つの特徴
- なぜノンコア業務を改善する必要があるのか
- コア業務に企業資源を集中させる重要性
- ノンコア業務をアウトソーシングするBPOという選択
- アウトソーシングに適しているノンコア業務の種類
- アウトソーシングする際に注意すべきこと
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. ノンコア業務とは
ノンコア業務とは、企業の競争優位や事業の中核に直接関わる度合いが比較的低く、コア業務(中核業務)を支えるために必要な間接的な業務のことです。
企業の戦略的な業務改革(BPR:ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を進めるうえで、まず欠かせないのがコア業務とノンコア業務の切り分けです。ただし、この区別は業種・企業戦略によって異なり、一概に「この業務がノンコア」とは言い切れない点に注意が必要です。
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2. コア業務とノンコア業務の違い
コア業務とノンコア業務は以下のように整理されます。
| 比較項目 | コア業務 | ノンコア業務 |
|---|---|---|
| 定義 | 企業の競争力・顧客価値・事業の中核に直接関わる業務 | 競争優位への関与度が比較的低く、コア業務を支える業務 |
| 企業への影響 | 競争力や事業価値への影響が大きい | 重要ではあるが、競争力への直接的な影響は相対的に低い |
| 業務の性質 | 非定型・専門的な判断が必要 | 定型化・標準化しやすい業務が多い(ただし高度な専門性が必要な場合もある) |
| 外部委託の考え方 | 競争優位に直結する部分は内製を基本としつつ、必要に応じて外部専門家を活用 | 適切な業務設計・委託先管理を行えば、外部委託しやすい業務が多い |
重要な前提:
コア業務とノンコア業務の区別は、企業の戦略・強みによって大きく異なります。例えばカスタマーサポートは多くの企業でノンコアとして外部委託されますが、「顧客との直接的なつながり」を競争力の源泉としている企業ではコア業務に近い位置づけになります。
3. ノンコア業務の4つの特徴
ノンコア業務には以下のような特性があります。
① 改善投資の優先度が低くなりやすい
競争力への直接的な関与度が低い業務のため、コア業務に比べて改善投資の優先順位が低くなり、非効率な運用が残る場合があります。
② 担当者個人にノウハウが蓄積し、業務が属人化しやすい
担当者個人にノウハウが蓄積されがちで、会社として共有できていない状態になりやすいです。担当者が不在になると業務が滞るリスクがあります。
③ 季節・時期による業務量の変動が大きい
決算時期・人事異動シーズン・年末調整など、特定の時期に業務量が集中する傾向があります。繁忙期にはコア業務を圧迫してしまうこともあります。
④ 人手に依存している場合、継続的なコストが発生する
月次・年次などで定期的に発生する業務を人手に依存している場合は、人件費を中心としたコストが継続的に発生します。近年はSaaS・RPA・AIなどで対応される業務も増えています。
4. なぜノンコア業務を改善する必要があるのか
ノンコア業務は競争力への直接的な関与度が低いため、経営者の注目度が低く改善への投資が行われにくい傾向があります。しかし標準化しやすいノンコア業務では、業務内容によっては大きな効率化が期待できる場合があります。
その理由は以下の通りです。
- 定型化・標準化しやすい業務が多い:コア業務と比べてルールを文書化・標準化しやすく、業務によってはシステム化・自動化しやすいものがある
- 改善効果を測定しやすい:処理件数・所要時間・エラー率など定量的な評価がしやすい
- コア業務へのリソース集中につながる:ノンコア業務をBPOによる外部委託やRPAなどによる自動化を行うことで、限られた人材をコア業務に振り向けられる
5. コア業務に企業資源を集中させる重要性
働き方改革・法改正・経済のグローバル化に加え、慢性的な人手不足・国内市場の需要縮小など、企業が置かれる環境は急速に変化し続けています。
そんな中で競争力を維持するためには、社員という貴重な資源をいかにコア業務に集中させるかが重要です。コア業務にリソースを集中することで、専門ノウハウの蓄積や生産性向上が期待できます。
一方でノンコア業務に貴重な人材・工数を取られていては、本来の事業成長に使えるリソースが失われ続けます。ノンコア業務をなくすことはできません。だからこそ「いかに効率よく処理するか」を考え、外部リソースを活用することが経営の重要な選択肢となっています。
6. ノンコア業務をアウトソーシングするBPOという選択
ノンコア業務を効率よく処理する手段として、BPO(Business Process Outsourcing:ビジネス・プロセス・アウトソーシング) が多くの企業で活用されています。
BPOとは、特定の業務機能や業務プロセスの一部または全部を、外部の専門事業者に継続的に委託する方法です。一時的な単発発注とは異なり、業務の運営・管理ごと継続的に委託する点が特徴です。
BPOを活用することで以下の効果が期待できます。
- コア業務に集中しやすくなり、生産性向上が期待できる
- 適切な委託先を選定・管理することで、業務品質の安定・向上が期待できる
- 新規事業の立ち上げや業務改善にリソースを向けられる
- 従量課金などの契約形態では、業務量に応じたコスト管理がしやすくなる場合がある(ただし月額固定契約など形態はさまざまです)
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7. アウトソーシングに適しているノンコア業務の種類
一般的にアウトソーシングに適しているノンコア業務には以下のものがあります。
| 業務カテゴリ | 具体的な業務例 |
|---|---|
| バックオフィス業務 | 給与計算・経費精算・請求書処理・記帳・労務管理 |
| データ処理業務 | データ入力・出力・集計・帳票作成 |
| 人事・採用業務 | 採用代行(RPO)・研修業務・入退社手続き |
| 受発注・在庫管理 | 受発注処理・在庫管理・出荷管理・配送手配 |
| 顧客対応業務 | コールセンター・カスタマーサポート・お客様相談室 |
| IT運用業務 | ヘルプデスク・システム保守・RPA運用管理 |
これらは標準化しやすく外部の専門業者が豊富に存在するため、BPOに適した領域です。ただし企業によっては、これらの一部がコア業務に近い位置づけになる場合もあります。自社の戦略と照らし合わせて判断することが重要です。
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8. アウトソーシングする際に注意すべきこと
情報セキュリティの確認と委託先の監督
コールセンターや人事業務など、個人情報を取り扱う業務をBPOする場合は、委託先のプライバシーマークの取得状況やISMS認証の有無、情報セキュリティ体制を確認することが重要です。
また個人情報保護委員会は、個人データの取扱いを委託する場合、委託元に委託先への「必要かつ適切な監督」を求めています。委託先の安全管理措置・再委託の有無・契約内容・運用状況などを確認し、継続的に監督する体制を整えることも重要です。万が一情報漏洩が発生した場合、外注先のミスであっても委託元企業の信用に関わります。
自社のコア業務の定義を明確にする
ノンコア業務の判断は企業によって大きく異なります。「お客様との直接のつながり」や「専門知識を持った自社社員が対応すること」を強みとしている企業では、コールセンターやアフターフォローをアウトソーシングすることが競争力低下につながる可能性があります。
「外部に任せてよい業務か」の判断は、自社が何を強みとしているかを明確にしたうえで行うことが重要です。
委託後の管理体制を設計する
BPOは「丸投げ」ではなく「分業」です。定期的な報告体制・品質確認の仕組み・問題発生時のエスカレーションフローを契約前に整備しておくことで、委託後のトラブルを防ぎやすくなります。
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9. よくある質問(FAQ)
Q. ノンコア業務とは何ですか?具体例を教えてください。
A. ノンコア業務とは、企業の競争優位や事業の中核に直接関わる度合いが比較的低く、コア業務を支えるために必要な間接業務の総称です。給与計算・経費精算・データ入力・コールセンター・採用事務・システム保守などが代表例です。ただし同じ業務でも、企業の戦略によってコア・ノンコアの位置づけは変わります。
Q. コア業務とノンコア業務はどう判断すればよいですか?
A. 「競争優位・顧客価値・売上・事業継続への影響」「自社独自のノウハウが必要かどうか」などを総合的に判断します。一つの指標だけで機械的に分類するのではなく、自社の事業戦略・強みと照らし合わせながら判断することが重要です。
Q. ノンコア業務をすべてアウトソーシングすべきですか?
A. すべてを外部委託する必要はありません。自社の強みや顧客との関係性に関わる業務は内製で担うことが重要です。「標準化できる」「専門業者がいる」「競争力への直接的な影響が低い」という条件が揃った業務から委託を検討するのがおすすめです。
Q. BPOとアウトソーシングは何が違いますか?
A. アウトソーシングは外部資源を活用して業務を委託する広い概念で、BPOはその一形態として、特定の業務機能やプロセスを継続的・包括的に委託する手法です。単発の外注もアウトソーシングに含まれますが、BPOは継続的な業務の委託・管理を指します。
Q. ノンコア業務のアウトソーシングでどのくらいのコスト削減が期待できますか?
A. 業務内容・委託範囲・契約形態によって大きく異なります。契約形態によっては、人件費・設備費などの固定費の一部を変動費化できる場合があります。まず対象業務の現状コストを試算してから委託先に相談することをおすすめします。
まとめ
コア業務とノンコア業務を切り分けることは、企業全体の生産性を高めるための業務改革において重要なステップのひとつです。
整理すると:
- コア業務:企業の競争力・顧客価値に直結する中核業務。自社に残すべき機能を見極めることが重要
- ノンコア業務:中核事業を支える業務。標準化・外部委託に適したものが多い
ノンコア業務は競争力への直接的な関与度が低いため改善の優先度が低くなりがちですが、業務内容によっては大きな効率化が期待できる領域です。業務全体を可視化してコアとノンコアを切り分け、ノンコア業務をBPOに任せることで、限られた人材をコア業務に集中させる体制が整います。
リアルゲートのBPOサービスでは、業務の切り分けからご提案をさせていただいております。
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