RPAとBPOの違いは、RPAが「定型業務をソフトウェアロボットが自動処理する技術」であるのに対し、BPOは「特定の業務プロセスの一部または全部を、外部の専門事業者に継続的に委託するサービス」である点です。両者は対立するものではなく、近年はBPOサービスにRPAやAIなどのデジタル技術を組み合わせる動きも広がっています。
日本企業においては、生産年齢人口の減少や生産性向上の必要性が長年の課題となっており、頭を悩ませているのは経営者だけではありません。少子高齢化や生産年齢人口の減少は、日本を含む多くの先進国で課題となっており、こうした中で各国で導入が進み、市場規模も拡大し続けているのがRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)です。
市場調査会社IMARC Groupによると、日本のRPA市場規模は2025年に9億1,120万米ドルに達し、2026年から2034年にかけて年平均成長率22.79%で拡大すると予測されています。間接業務を効率的に行う手段としてはすでに多くのBPOサービス会社が存在しますが、アウトソーシングを検討する担当者は、新たに台頭してきたRPAとBPOの違いを理解した上で、自社が委託したい業務に適した方法・委託先を選ぶ必要があります。
目次
RPAとBPOの違い(早見表)
まず結論から、RPAとBPOの違いを表で整理します。
| 比較項目 | RPA | BPO |
|---|---|---|
| 本質 | ソフトウェアロボットによる作業の自動化 | 業務プロセスの一部または全部の外部委託 |
| 向いている業務 | ルールが決まった定型・反復作業 | 判断や専門対応を含む業務、業務運営そのもの |
| 導入スピード | 比較的短期間で稼働可能 | 業務設計・引き継ぎに時間を要することが多い |
| コスト構造 | ライセンス費・開発費・保守費など | 委託業務量に応じた委託費 |
| 必要な社内リソース | シナリオ設計・保守の知識 | 委託先との連携・管理体制 |
| 主なリスク | システム障害・仕様変更時の再設計対応 | 委託先の品質・情報管理体制への依存 |
結論: 業務ルールが明確で反復性の高い作業は「RPA」、判断力や専門知見が求められる業務、あるいは業務運営そのものを任せたい場合は「BPO」が候補になります。そして近年は、この2つを状況に応じて組み合わせる企業も増えています。
標準化された定型業務なら、RPA
RPAの特性は、「決められたことを、決められた方法に従い、自動的に行う」ことです。そのため、一定のルールに従った反復作業などの単純な業務に向いています。
例えば経理なら請求書の処理や財務データの作成、レポート作成、人事なら社員のマスターデータの入力と更新や人事考課管理、休暇等の福利厚生の申請や管理などが適した業務となります。
適切に運用すれば、人の休憩時間に左右されず長時間稼働させることが可能な点もRPAの特徴です(ただし、システム障害やアプリケーションの仕様変更などで停止する可能性はあります)。また、正しく設計・運用されたRPAは、手入力による転記ミスなどの削減が期待できます。山積みの申請書やデータからコツコツと入力する作業工数を削減しながら、正確な処理を目指せる点もRPAのメリットです。
対象業務や導入規模によっては、人件費や作業工数の削減が期待できます。また、担当者交代による教育負担を軽減し、一定の処理品質を維持しやすくなる点も、企業にとってメリットとなり得ます(一方で、RPA導入にはライセンス費・開発費・保守費・監視体制などのコストも発生するため、費用対効果は個別に見極める必要があります)。
関連ページ:RPAができることって何?
付加価値や創造性を求めるなら、BPOベンダーへ委託
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、もともと「事務業務や受付などのノンコア業務や、専門性の高い業務を各種ノウハウを持ったプロが請け負い、効率的に行うことで、企業へのコスト削減や生産性向上に貢献する」というサービスでした。
しかし、RPAやAIなどのデジタル技術の普及により、BPOベンダーの存在価値も変化してきています。これまではBPOベンダーのスタッフ(またはその再委託先のスタッフ)が業務フローやマニュアルを簡略化し、業務のムリ・ムダを省くことに注力していました。
そこに、定型業務を高速かつ継続的に処理できるRPAが普及したことで、マニュアル整備や申請書のフォーマットを定型化するといった従来の課題解決法だけでは、企業に対する生産性向上のアピールポイントになりにくくなってきました。こうした背景から、BPOサービスにRPAやAIなどの自動化技術を取り入れる動きが進んでいます。
BPO市場では、AIやRPAと人間の専門知識を融合したハイブリッド型アプローチが普及しつつあり、サービス提供の効率化と革新を推進していると報告されています。
RPAの設計・開発・保守に必要な人材を自社で確保することが難しい場合、外部の専門事業者を活用する方法もあります(一方で、RPAを内製している企業も少なくありません)。
BPOベンダーのスタッフには、デジタル技術との親和性の高さが求められる場面も増えています。ツールを効率的に使いこなしながら、委託された業務だけでなく企業へさらなる付加価値を与えるサービスを提案・実践できるかどうかが、BPOベンダーの差別化ポイントの一つになりつつあります。
RPAとBPOを組み合わせて業務効率化を図る選択肢も広がっています。
関連ページ:ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とは?
企業はRPA活用も視野に入れた委託先を選ぶとよい

RPAとBPOはそれぞれ異なる発展を遂げてきた技術・サービスですが、現在では両者を組み合わせた業務効率化も広がっています。RPA市場の拡大には、DXの推進や人手不足への対応、定型業務の自動化需要の高まりなど複数の要因があるとされています。
定型業務を多く含む場合は、RPAやAIなどのデジタル技術にも対応できるBPOベンダーを選択肢に入れるとよいでしょう。委託したからといって必ずしもRPA導入を進めなければいけないわけではありませんが、業務内容によっては、RPAなどの自動化技術を組み合わせることで、さらなる効率化やコスト削減が期待できます。
デジタルとアナログの両方に明るい知見を持ったBPOベンダーは、企業の生産性向上において心強い選択肢の一つとなるでしょう。
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よくある質問(FAQ)
Q1. RPAとBPOはどちらを先に検討すべきですか?
A. まずは委託・自動化したい業務を洗い出しましょう。ルールが明確でシステム上完結する反復作業はRPA、業務運営そのものを外部に任せたい場合や人による判断・対応を含む場合はBPOが候補になります。両方が混在する場合は、RPAを組み込んだBPOベンダーへの一括委託も有力な選択肢の一つです。
Q2. RPAとBPOは同時に導入できますか?
A. 可能です。近年はBPOベンダーが自社サービスにRPAやAIを組み込むケースも増えており、定型部分をRPAが処理し、判断が必要な部分を人が担う形が広がっています。
Q3. RPAはBPOより安く済みますか?
A. 一概には言えません。RPAはライセンス費・保守費が継続的に発生し、シナリオ設計や運用体制の構築にも社内リソースが必要です。委託業務の量や難易度によっては、BPOの方がトータルコストを抑えられる場合もあります。
Q4. 中小企業でもRPAとBPOの使い分けは可能ですか?
A. 可能です。近年はキリダシのように、月額5,000円からBPO・RPA・IT人材派遣を組み合わせて利用できる小規模向けサービスも登場しており、予算や業務量に応じて始めやすくなっています。
Q5. BPOベンダーを選ぶ際に確認すべきポイントは?
A. RPAをはじめとするデジタル技術への対応力、業務範囲と責任範囲の明確さ、情報管理体制、そして単なる作業代行ではなく業務改善提案までできるかどうかを確認することをおすすめします。
